ひらお
循環器科内科
クリニック
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ピロリ菌感染症
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- ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)とは?
ピロリ菌はおよそ4ミクロンのらせん状の細菌で、胃、十二指腸潰瘍、胃癌の発生に深く関与していることがわかっています。
他の菌が生きていけないような強酸性の胃の中に生きています。 感染経路ははっきり解明されていませんが経口感染ということは確かなようです。
胃粘膜や胃粘液の下にある胃壁の細胞の中に入り込んで強力な胃酸の影響を逃れています。またピロリ菌自身で胃の中にある尿素を分解してアンモニアを作り菌の周囲を中性に保って生き続けています。
- どうして胃炎や胃・十二指腸潰瘍を発生させるのでしょうか?
ピロリ菌が胃壁にとりつくと細胞を弱めてしまう毒素をだします。 すると菌をやっつけようと白血球が近くに集まります。
両者の戦いが大きくなると胃粘膜が消耗し胃壁を傷つけ炎症や潰瘍になったりすると考えられます。
- 感染率は
発展途上国が高く先進国では低くなっています。 日本では50代以上の70〜80%の人が感染していて、衛生状態がよい環境に育った小児では感染率は低くなっています。
消化性潰瘍の患者さんの約80%が陽性です。
- 検査方法は?
内視鏡を必要する検査:鏡検法、ウレアーゼ法、培養法
内視鏡を必要としない検査:尿素呼気試験、血清抗体測定、糞便中抗原測定
- 除菌療法は?
日本ヘリコバクタ−学会は「1つの細菌に対する感染症として取り組みをすべき」と提唱しており、現在、健康保険では、@胃・十二指腸潰瘍、A胃MALTリンパ腫、B早期胃がんの内視鏡治療後、C血小板減少性紫斑病、Dヘリコバクタ−・ピロリ菌感染胃炎が除菌療法の適応になっています。
除菌療法は、胃酸分泌抑制薬と二種類の抗生物質を組み合わせ1週間内服します。近年、使用する抗生剤に耐性を獲得した菌(耐性菌)の出現に伴い、一次除菌の除菌率は75%以下まで低下しています。抗生剤を変更した二次除菌も2007年8月から保険適応となりました。1週間の治療途中で服薬を中止したり不確実な内服をすると、除菌失敗のみならず耐性菌の出現をうながし、二次除菌の効果も低下します。副作用として、服薬中の下痢・軟便や味覚異常が報告されています。
- 胃内視鏡検査(胃カメラ)
胃カメラでは、レントゲン(バリウムの検査)とは違い胃の中をカメラでのぞいてみるので、胃の粘膜の様子、ポリープや潰瘍の様子を直接見ることが出来ます。
当院では、胃内視鏡検査を3通りの方法で行っております。
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利点
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欠点
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従来の経口内視鏡
& 鎮静剤注射
φ10mm |
苦痛は殆ど(全く)感じない
ポリープ切除等の処置は可能 |
検査終了後3時間ベットで休んでもらう
検査中、モニター画面は見られない |
経鼻極細内視鏡
φ5.9mm |
咽頭反射が少なく辛くない
検査中、医師と会話が出来る
検査終了後すぐに帰宅できる |
ポリープが見つかっても切除できない(生検のみ)
鼻出血の可能性 |
従来の経口内視鏡
φ10mm |
ポリープ切除等の処置は可能
検査終了後すぐに帰宅できる |
咽頭反射の強い人にはかなり辛い
検査中、モニター画面は見られるが会話は出来ない |
生検;組織のごく一部を採取し、細胞を顕微鏡で調べる検査
1)鎮静剤を使いながら従来の経口内視鏡検査を行う方法
以前胃カメラの検査を受けて苦しい思いをしたり、検査への恐怖心からなかなか検査に踏み切れないという方が、苦しい思いをせず楽に胃カメラが受けられる検査方法です。胃カメラの検査の前に鎮静剤を使い半分眠ったような状態で検査を行います。検査中の嘔吐反射や苦痛はほとんど感じません。カメラの検査をしたことも分からなかったと言う人もいるくらいです。鎮静剤を使って検査をすると、眠ったような状態で検査を行う為、検査中にモニタ−画面が見られないこと、人によっては(頻度は非常に稀ですが・・・)鎮静剤が身体に合わず、目がさめてから気分が悪くなったり、吐き気を起こすことがありますが、良い点として
1)患者様が楽に検査を受けられる
2)嘔吐反射があまり出ないので検査中に胃を十分に膨らませることができ、胃の細かいところま で十分見ることが出来る
3)検査中の苦しさから引き起こされる血圧の上昇、心筋梗塞などの事故を防ぐ
4)検査中に小さなポリープを取ることや、胃の粘膜の一部を採取し細胞を調べたり、ピロリ菌がいるかどうかの検査をすることが出来る
ということからとてもお勧めできる検査法です。鎮静剤を使った場合は、完全に鎮静剤の効果がなくなるまで2〜3時間位休んでから帰っていただきますので、時間にゆとりを持っておこしください。
2)鼻から細い内視鏡を入れて行う方法
鼻腔内に麻酔を行い、極細の内視鏡を鼻から挿入し、胃カメラを行う方法です。従来の経口内視鏡と比べて咽頭反射が少ないので、比較的楽に検査を行うことができます。また鼻から挿入するので、検査中はモニタ−画面を見ながら医師との会話も可能です。
ただし、内視鏡の直径が細いため、検査中に胃の粘膜の一部を採取し細胞を調べたり、ピロリ菌がいるかどうかの検査をすることは出来ますが、ポリ−プが見つかっても切除できないので、ポリ−プがある可能性のある方はこの方法では検査できません。
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